近年、銀行融資だけでなくファクタリングを利用する建設業者が多くなっています。
そこで、建設業界でファクタリングが多く利用されている理由について解説します。
目次
建設業の特徴
建設業とは住宅やビルなどの建物や道路などを建設する土木建設工事を実施する業種のことです。
建設業の特徴はいくつかありますが、その中から次の2つの大きな特徴を解説します。
(1)請負契約である
建設業の大きな特徴として、請負契約であることが挙げられます。
建設業は個別に受注して生産するという生産方式であるため、請負契約を結んで完成品を引き渡すという方式を採っています。
(2)1つの工事には多くの業者が関わっている
例えば、ビルを建設する場合、建設会社が工事を請け負いますが、すべての工事をこの建設会社が施工するわけではありません。
ビルを建設するためには多くの専門的な工事が必要になるため、それだけの専門業者に外注する必要があるからです。
そのため、外注が多いことも建設業の特徴のひとつです。
なぜ、建設業ではファクタリングが利用されているのか
これまで多くの建設業者が資金調達方法として利用していたのが、銀行融資です。
しかし、近年は銀行融資ではなく、ファクタリングを利用している建設業者が中小企業を中心に多くなっています。
ではなぜ、中小建設業者は融資ではなく、ファクタリングを利用しているのでしょうか。
(1)建設業とファクタリングの相性が良い理由とは?
中小建設業者が融資ではなく、ファクタリングを利用するのは、建設業に次のような特徴があるからです。
・請負契約が基本
・1つの工事に多くの業者が関わっている
・外注が多い
建設業の請負契約では、完成品を引き渡した後に報酬が支払われますが、請負工事は長期間にわたって実施されます。つまり、請負契約では売掛金が発生するということです。
そのため、報酬が支払われるまでの人件費(給料など)や材料費などの費用は建設業者が立て替える必要があり、そのための資金が必要になります。
これまで、建設業者は運転資金を準備するため、主に銀行融資を利用していました。
しかし、銀行融資を受けるには時間がかかるため、人件費や材料費などの運転資金が足りなくなってしまった場合、資金繰りが厳しくなってしまうことがありました。
このような場合に、有効な手段として利用できるのがファクタリングです。
ファクタリングを利用すれば、最短即日で現金が入金されるため、比較的簡単に資金調達ができます。
ゼネコンなどの大企業であれば、資金繰りが厳しくなることはほとんどありませんが、中小建設業者の場合、資金が足りなくなってしまうリスクが高いことから、ファクタリングを利用する中小建設業者が多くなってきたのです。
建設業でよく利用されるファクタリングのメリットとは
このように建設業でよく利用されるファクタリングのメリットを解説します。
(1)ファクタリングは「融資」ではない
銀行融資が負債であるのに対し、ファクタリングは債権譲渡であるため、負債ではありません。
つまり、貸借対照表上、ファクタリングは負債として計上されないということです。
そのため、今後銀行融資の審査を受ける際、有利になります。
(2) 融資よりも審査に通りやすい
銀行融資の審査は時間がかかりますが、ファクタリングは最短即日で資金調達できます。
というのは、ファクタリングの審査対象は売掛先であることから、売掛先の経営状況が良ければ、すぐに現金が入金されるからです。
一方、銀行融資の審査では、自社の経営状況や信用力を審査することによって、融資の返済能力を慎重に判断するため、時間がかかってしまいます。
(3)最短即日で資金調達できる
最短即日で資金調達できるファクタリングは、売掛金や後払いが多い建設業に適しています。
というのは、建設業では、材料費や人件費、外注費などの運転資金を立替払いすることが多いからです。
特に資金力のない中小建設業にとっては、売掛金さえあれば、資金調達できるファクタリングはとても便利な資金調達方法なのです。
(4)自社の経営状況は問われない
ファクタリングの審査対象は売掛先であるため、自社の経営状況はほとんど問われません。
そのため、売掛先の経営状況や信用力が審査され、売掛先の支払能力が重視されます。
つまり、自社の経営が赤字でも、ファクタリング審査に通過する可能性があるということです。
(5)元請会社の倒産リスクを回避できる
ファクタリング会社には償還請求権がないため、ファクタリング利用会社は返済する責任を負う必要はありません。
償還請求権とは、売掛先が倒産などで支払い不能になった場合に、ファクタリング会社がファクタリング利用会社に直接請求する権利のことです。
ファクタリング契約では、原則償還請求権がないため、売掛先である元請会社の倒産リスクを負う必要はありません。
つまり、元請会社の倒産リスクを回避できるのです。
建設業でよく利用されるファクタリングのデメリットとは
建設業でよく利用されるファクタリングのメリットに続き、デメリットを解説します。
(1)手数料が高めに設定されている
ファクタリングを利用する場合、本来の支払日よりも前倒しで現金化するため、ファクタリング会社に手数料を支払う必要があります。
ファクタリングの手数料は、銀行融資の金利と比べるとかなり高いことから、ファクタリングのデメリットになります。
そのため、ファクタリングを使いすぎると、資金繰りが悪化することがありますので、要注意です。
(2)資金調達できるかが売掛先の経営状況に左右される
ファクタリングの審査対象が売掛先であるため、資金調達できるかどうかが売掛先の経営状況に左右されます。
つまり、売掛先の経営状況が悪いと、ファクタリング審査に落ちてしまうおそれがあるため、資金調達できない可能性があるということです。
そのため、ファクタリングの利用を検討する際は、売掛先の経営状況を考慮することが重要になります。
(3)闇金業者などがファクタリング会社を装っていることがある
ファクタリングは貸金業ではないため、貸金業登録が必要ありません。
そのため、闇金業者などがファクタリング会社を装っていることがあるので、注意が必要です。
債権譲渡契約ではなく、金銭消費貸借契約を締結しようとしているなど怪しいと思ったら、すぐに断ってください。
建設業者がファクタリング会社を選ぶポイントは
建設業者がファクタリング会社を選ぶ際、いくつかのポイントがありますので、解説します。
(1)手数料が低い
ファクタリングのデメリットとして、手数料が高いことが挙げられます。
そのため、建設業者がファクタリング会社を選ぶ場合、手数料が低いかどうかがポイントになります。
特に建設業の場合、金額が大きいため、手数料が数%違うだけで調達できる資金が違います。
手数料の相場としては、3社間ファクタリングが1~9%、2社間ファクタリングが10~30%程度となっています。
(2)建設業界に実績がある
建設業者がファクタリング会社を選ぶ際の重要なポイントとしては、建設業界に実績があることが挙げられます。
というのは、建設業界に実績があるファクタリング会社であれば、売掛金が多いなどの建設業界の事情を理解しているからです。
そのため、建設業者は詳細を説明しなくても、ファクタリング会社はすぐに理解してくれます。
(3)最短即日で資金調達が可能か
ファクタリングには、最短即日で資金調達が可能というメリットがありますが、すべてのファクタリング会社が最短即日に対応しているわけではありません。
そのため、すぐに資金調達が必要なときは、最短即日で資金調達が可能なファクタリング会社を選ぶ必要があります。
(4)買取限度額が高い
建設業の売掛債権の金額は大きいため、買取限度額が高いファクタリング会社を選ばなければなりません。
ファクタリング会社の中には、数億円の買取限度額を設定しているところもあります。
まとめ
このように建設業の資金調達にファクタリングは最適です。
ファクタリングの利用を希望される際は、この記事の内容を参考にしていただければわかりやすいでしょう。
ファクタリングでお困りの方は株式会社ZIST(ジスト)にご相談ください。
お電話・メールでも対応可能でございます。