
事業資金の融資を受けたいと考えたとき、どこに申し込むべきか悩む人は多いです。
融資方法によって金利が異なり、事業形態によっては向き不向きがあります。
本記事では事業資金の融資が受けられる6つの方法について、特徴を分かりやすく紹介。
審査や事業融資の注意点についても解説しています。
事業資金の融資を検討中の人は、申込先選びや審査準備の参考にしましょう。
事業資金の融資を受ける6つの方法について解説
事業資金の融資を受ける方法は、大きく分けると6つあります。
| 融資方法 | 金利目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 | ~18.0% | ・事業形態や規模によらず利用できる融資制度を用意 ・短期の運転資金から億を超える大型融資まで幅広く対応 |
| 信用金庫 | 5.0~10.0%程度 ※ 制度融資は1.0%~2.0%程度 |
・個人事業主や中小企業向け ・融資額は少額がメイン ・営利目的の組織ではなく、地域貢献度や信頼度が重要 |
| 地方銀行 | 数%~15.0%程度 ※ プロパー融資なら低め、ビジネスローンは高めの傾向 |
・地域に地盤がある企業向け ・多額の融資にも対応できるケースあり ・営利企業のため審査は厳しくなりがち |
| 大手銀行 | 数%程度 | ・個人事業主や中小企業の利用は難しい ・大型融資にも対応 ・提出書類が多く審査は厳しい |
| ネット銀行 | ~14.0%程度 ※ 信用保証付きは5.0%未満 |
・個人事業主や中小企業向けの少額融資にも対応 ・審査が早く必要書類は少なめの傾向 ・金利はやや高め |
| ノンバンク系ビジネスローン | ~18.0% | ・少額の運転資金の融資にも対応 ・即日融資に対応する金融機関もある ・金利は高め |
日本政策金融公庫の事業資金融資は、業態や目的により制度が細分化されています。
金利は民間の金融機関で借りるよりも低めの傾向で、個人事業主の新規開業資金や中小企業の運転資金も借入可能です。
信用金庫は地域貢献が目的の金融機関で、地域で営業する個人事業主や中小企業に対して支援を行います。
営利目的の企業である銀行よりも金利は低めの傾向です。
銀行融資は金融機関の規模により特徴が異なり、審査を受けないと具体的な金利や貸付条件は分かりません。
担保や保証人なしだと金利10%以上が珍しくなく、担保や信用保証があると金利は抑えられます。
大手銀行では多額の事業資金融資が可能な一方、審査が厳しく必要書類も多いのが特徴。
融資の早さを重視したい人は、来店不要で契約できるネット銀行やノンバンク系ビジネスローンも検討しましょう。
それぞれの方法について、メリットやデメリットも含めて詳しく解説しました。
日本政策金融公庫は金利が低めで個人事業主も利用できる
日本政策金融公庫は、できるだけ金利を抑えて事業資金の融資を受けたい人に向いています。
個人事業主や中小企業向けの融資制度が揃っており、国民の事業をさまざまな角度から支援する政府系金融機関です。
日本政策金融公庫のメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・業歴や業態を問わず低金利で事業資金の融資を受けられる ・担保や保証人不要の融資制度が多く申し込みまでのハードルが低い ・セーフティーネット的な役割もある ・どの融資制度を利用していいか分からないときは相談できる |
| デメリット |
|---|
| ・相談から融資まで平均で2週間はかかる ・地域によっては支店が遠く直接面談に行きにくい場合もある ・繰上返済するには手数料が発生する |
日本政策金融公庫の融資には、小規模事業者向けの国民生活事業と億を超える融資も可能な中小企業事業があります。
それぞれの融資実績は以下の通りです。
| 項目 | 融資先数 | 平均融資残高 |
|---|---|---|
| 国民生活事業 | 115万件 ※ 9割が従業員9名以下 |
822万円 ※ 約9割が無担保貸付 |
| 中小企業事業 | 5.7万件 ※ 約8割が従業員20人以上、約9割が資本金1,000万円以上 |
1億3,300万円 |
参照元:日本政策金融公庫
新規事業を立ち上げるための資金や運転資金の融資制度もあり、事業者であれば幅広い目的で利用可能です。
一時的な業績悪化や事業再建のための融資もあり、企業のセーフティーネットとしても役割も果たしています。
担保や保証人なしでも申し込めるため、周囲を巻き込まずにまとまった事業資金の融資を受けられる可能性も。
民間の金融機関で借りるより、低めの金利で借りられるのも大きな特徴です。
一般貸付の基準利率(2025年12月現在)
| 条件 | 金利(年) |
|---|---|
| 税務申告2期以上 | 3.00%~4.50% |
| 税務申告2期未満 | 2.90%~4.40% |
| 有担保 | 2.00%~4.10% |
参照元:日本政策金融公庫
上記は基準利率で、創業年数や申込者の状況によりさまざまな金利優遇があります。
条件が揃えば、1~2%程度の金利が適用されるケースも。
高くても4%台でおさまるため、少しでも低い金利で事業資金の融資を受けたい人に向いています。
業種や業歴により利用できる貸付制度が異なるため、事業資金の融資を受けたい人は相談から始めましょう。
近くの支店に来店予約をとって直接相談するほか、電話やオンラインでも相談可能です。
デメリットは融資まで時間がかかる点と繰上返済のしにくさ
日本政策金融公庫の事業資金融資は、相談から融資が決定するまで2週間程度としています。
入金はさらに後となるため、差し迫った支払いのために融資を受けたいときは間に合いません。
融資を受けたあとは毎月決まった金額を返済していきますが、売上が安定して繰上返済したいときは期限前弁済手数料が発生します。
平成8年7月1日以降の契約による新規ご融資について、公庫の承諾を受けて繰上償還をされる場合には、所定の算式による期限前弁済手数料をお支払いいただきます。
出典:日本政策金融公庫
繰上返済は公庫からの承諾がなければ行えず、否決される可能性もあります。
些細なことでも相談できる体制は整っているため、少しでも分からない点があれば積極的に質問して希望条件に合う融資制度に申し込みましょう。
信用金庫は創業融資や自治体の制度融資も扱っている
各地方にある信用金庫では、営業エリア内の事業者を対象に少額融資中心の商品を扱っています。
信用金庫は営利目的の団体ではなく、地域貢献が目的の一つです。
自治体の制度融資を扱っているケースもあり、より低金利で事業資金を借りられる可能性もあります。
信用金庫のメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・営利企業である銀行とは違った審査基準で融資を決めている ・創業融資や個人事業主の事業資金融資も相談しやすい ・金利の低い自治体の制度融資を扱っている |
| デメリット |
|---|
| ・制度融資以外は日本政策金融公庫と比べると金利は高め ・地域密着ではない事業では審査が不利になる可能性あり ・来店が必要で手続きはオンライン化していないケースが多い |
信用金庫は、地域の産業を発展させる目的で事業資金の融資を行います。
信用状態や資金繰りだけでなく、事業内容や地域への貢献度も判断材料として総合的に融資の可否を決めるのが銀行との大きな違いです。
経営サポートが充実している信用金庫も多く、創業期や資金繰りが厳しいときでも融資の相談にのってもらえます。
自治体の制度融資や補助金に関する情報発信も行っているため、より良い条件で事業資金を確保したい人は積極的にサポートを活用しましょう。
金利は融資商品により異なる
信用金庫で事業資金の融資を受けるときは、利用したい商品や融資額により金利の目安が異なります。
審査が早く事業資金全般に使えるビジネスローンは金利が高く設定されがちで、審査により10.0%を超えるケースも。
制度融資の金利条件は住んでいる自治体により異なり、おおよそ1.0%~2.0%程度が目安です。
例えば大阪府で扱う制度融資「小規模企業サポート資金(小規模資金)」は、以下の条件で融資を行っています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 申込条件 | ・大阪府内の同一場所で6か月以上事業を営む小規模事業者 ・確定申告、決算に伴う納税状況が確認できる |
| 限度額 | 最高2,000万円 |
| 金利 | 1.6% |
参照元:大阪信用保証協会|小規模企業サポート資金(小規模資金)
上記は一例で、開業資金や経営改善の制度融資も扱っています。
より低い金利で事業資金の融資を受けたい人は、住んでいる自治体の制度融資がどのような内容なのか確認しましょう。
地域性が高く来店して相談や手続きが必要
信用金庫は地域の組合員から資金を集めて成り立っています。
住んでいるのは営業エリア内でも事業を行う場所が地域以外だと、地域振興に繋がらず融資を受けられない可能性が高いです。
地域性の低い事業の融資なら、日本政策金融公庫やネット銀行への申し込みを検討しましょう。
信用金庫は銀行ほどオンラインサービスが充実しておらず、各種手続きはアナログになりがちです。
忙しくて営業時間中の来店が難しい人や、銀行のオンライン手続きに慣れている人は利用しにくいと感じるケースもあります。
利便性よりも地域性や長く付き合える信頼関係を重視したい人は、信用金庫に融資の相談をしましょう。
地方銀行の事業資金融資は一定の業歴がある法人向き
地方銀行は営利企業のため、融資を受けるには一定の業歴や信用が必要です。
しかし、信用金庫と同じく地域密着型金融機関のため、付き合いが長ければ細かなニーズにも対応してもらえる可能性があります。
地方銀行で事業資金の融資を受けるメリットとデメリットは以下の通りです。
地方銀行のメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・地域の企業や個人事業主への融資は柔軟に対応 ・融資額の上限がないプロパー融資がある ・ニーズや事業規模に合わせてさまざまな事業資金の融資商品がある |
| デメリット |
|---|
| ・審査は厳しい傾向 ・保証会社(保証協会)付きのビジネスローンは金利が高め |
地方銀行は地域の付き合いを重視しているため、営業エリア内の事業者に対する融資には柔軟に対応しています。
長い付き合いになれば、経営の浮き沈みがあっても都度適したサポートを受けられるのが大きなメリットです。
商品化しているビジネスローンのほかに、銀行が直接資金を貸し出す「プロパー融資」があるのも大きな特徴。
融資額の上限がなく、現在の経営状態や事業の将来性を見て銀行が独自に金利を設定して貸し出します。
保証協会や保証会社が付くビジネスローンなら、担保や保証人不要で事業資金の融資が可能です。
保証付きは金利が高めに設定されがちなため、融資商品選びに迷ったら相談から始めましょう。
実現可能な融資なら、銀行の担当者からさまざまな提案やアドバイスが受けられる可能性があります。
審査は厳しく経営規模に合った銀行選びが重要
銀行は貸し倒れを避けたいため、過去に返済や支払いが滞り信用上の問題があると融資を断られやすいです。
事業計画や決算書の内容について、あやふやな説明しかできないときも積極的な融資は見込めません。
地元密着の地方銀行とはいえ、融資希望額が小さく経営基盤の弱い個人事業主の融資には消極的なケースもあります。
まずはまったくの新規ではなく普段から継続して取引のある銀行に相談し、担当者の対応を見て日本政策金融公庫や信用金庫の利用も視野に入れましょう。
大手銀行は高い信用力が求められ審査も厳しい傾向
資金力のある大手銀行(メガバンク)から事業資金の融資を受けるには、高い信用力と業績が必要です。
個人利用する分にはサービスが充実していて使いやすいものの、中小企業や個人事業主が事業資金を借りるのは難しいと考えましょう。
大手銀行のメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・地方銀行よりも低い金利で融資を受けられる ・大口融資に対応している ・海外にも支社があるためグローバルに事業を展開したいときもスムーズ ・高い信用力の証明になる |
| デメリット |
|---|
| ・個人事業主や中小企業が好条件で融資を受けられる可能性は低い ・提出書類が多く審査は厳しい ・柔軟な対応は期待できない |
大手銀行の事業資金融資は、信用金庫や地方銀行と比べて金利が低めの傾向です。
多額の融資を受けるときは、金利は少しでも低いほうが長期返済となっても少ない負担で済みます。
豊富な資金力を有しているため、数億単位の大口融資にも対応できる点も大きな特徴。
地方の金融機関では対応しきれない、大規模な設備投資も実現の可能性があります。
営業網が幅広く世界中に支社があるため、今後海外進出を考えている企業にとってもサポートを受けやすく利便性が高いです。
大手銀行から融資を受けている事実は、企業の信用力が高いと判断できる材料にもなります。
良い条件で大型融資が受けられるだけでなく、企業の価値も上げられるのが大手銀行から事業資金の融資を受けるメリットです。
中小企業や個人事業主が利用するにはハードルが高い
大手銀行は大企業の大口融資を優先しがちなため、小口融資が中心となる中小企業や個人事業主は融資を断られやすいです。
小口融資で保証協会付きとなると、メリットの1つであった低金利も実現できません。
融資の審査に通ったとしても、地方銀行や信用金庫ほど親身なサポートは受けられない可能性があります。
大手銀行には国内有数の大企業から大型融資の話が持ち込まれるため、規模が小さく経営状態の不安定な事業主は軽視されやすいです。
資金繰りが悪化したときの柔軟な対応も期待しにくく、追加融資を断られたり一括返済を求められたりするケースも。
大手銀行から多額の事業資金の融資を受けるには、長い取引期間に加えてそれなりの財務状況と実績が必要です。
ネット銀行は少ない書類で申し込めて手続きがスピーディー
ネット銀行は他の金融機関と比べて手続きが手軽で、提出書類が少なく来店不要で融資が受けられるのが特徴です。
事業規模が小さい個人事業主でも利用でき、相談に時間をかけず融資だけ受けたい人に向いています。
ネット銀行のメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・起業したばかりの個人事業主でも利用できる ・融資が早く資金調達を急ぐときに便利 ・書類が少ないから申込準備に手間がかからない |
| デメリット |
|---|
| ・金利が高め ・大型融資は扱っていない ・きめ細かいサポートや柔軟な対応は期待できない |
ネット銀行の事業資金融資は大手や地方銀行よりも間口が広く、住んでいる場所や事業規模を問わず申し込めるケースが多いです。
ネット銀行の事業資金融資は、主にビジネスローンと金額が大きい信用保証協会付融資の2種類あります。
例としてPayPay銀行の融資プランを例に違いを比較しました。
| 項目 | ビジネスローン (個人事業主向け) |
ビジネスローン (法人向け) |
信用保証協会付融資 |
|---|---|---|---|
| 申込条件 | ・個人事業主 ・20歳以上69歳以下 ・日本国籍または永住権を取得している外国籍の人 |
・会社の業歴が2年以上、または決算を2期終了 ・代表者が20歳以上69歳以下 ・代表者が日本国籍または永住権を取得している外国籍の人 |
・東京信用保証協会の定める区域に本店や事務所がある ・代表者が日本国籍または永住権を取得している外国籍の人 ・ビジネス用口座開設済み |
| 限度額 | 10万円~1,000万円 ※ 極度型 |
~8,000万円 ※ 証書貸付 |
|
| 金利 | 1.8%~13.8% | 1.4%~3.4% | |
| 必要書類 | 原則不要 ※審査により事業実態が分かる資料が必要 |
・法人代表者の本人確認資料 ・印鑑証明書(原本) ・納税証明書(原本) ・決算書 ・残高試算表 など |
|
| 融資日数 | 最短翌営業日 | 記載なし | |
ビジネスローンは極度型と呼ばれる貸付タイプで、カードローンと同様に限度額の範囲内で繰り返し借り入れできます。
一度契約すると2回目以降の融資は審査不要となるため、資金調達を急ぐときに便利です。
PayPay銀行では書類の提出は原則不要で、開業したばかりで財務状況の分かる書類が手元にない人でも申し込めます。
相談予約や来店の必要がなく、申込手続きはWebで完結するため忙しくても時間を作りやすいです。
信用保証協会付融資は最高8,000万円までの融資が可能で、金利も上限3.4%と低めで利息を抑えられます。
ただし東京都に事業所がある人限定となり、提出書類はビジネスローンと比べて多いです。
金利が高く財務状況に合わせた柔軟な対応は期待できない
ネット銀行のビジネスローンは、書類や来店不要で申し込みやすい反面、金利は高めに設定されています。
地方銀行では金利数%で融資を受けられる内容であっても、10%を超える金利が適用される可能性も。
金利の低さを重視したいなら、申込準備が面倒でも日本政策金融公庫や地元金融機関からの融資を選択肢に入れましょう。
いずれの金融機関でも、創業間もない人や融資の経験がない人でも相談により適した融資制度や商品の提案が受けられます。
経営サポートを受けたい、長期的な付き合いで信頼関係を築きたい人もネット銀行は向いていません。
ネット銀行は財務状況や決算内容など客観的な事実を見て取引を行うため、経営状態に合わせた柔軟な対応も期待できないと考えましょう。
ネット銀行の事業資金融資は、手軽さ重視で事業資金の融資だけを受けたい人に向いています。
ノンバンク系のビジネスローンは即日融資に対応しているケースもある
ノンバンク系のビジネスローンは即日融資に対応しているケースもあり、緊急で資金が必要なときに向いています。
取り扱っているのは、主にクレジットカードを扱う信販会社や消費者金融です。
数千万円の大型融資は扱っておらず、個人事業主や中小企業の小口融資が中心となります。
ノンバンク系ビジネスローンのメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| ・即日融資に対応できる ・無担保や保証人なしの融資が多い ・来店不要で契約できる業者が多い |
| デメリット |
|---|
| ・金利が最高18.0%と高い ・一般的に知名度の低い業者が多く申込先を選びにくい |
ノンバンク系のビジネスローンは、最短即日融資にも対応しているケースが多いです。
全国規模で利用できる会社なら申し込みや書類手続きがWeb上で行えるため、手間は最小限で済みます。
具体的にどのような融資があるのか、大手消費者金融アイフルのグループ会社であるAGビジネスサポートの例を確認しましょう。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 申込条件 | 法人または個人事業主 法人は75歳まで、個人事業主は69歳まで |
| 限度額 | 50万円~1,000万円 |
| 金利(年) | 3.1%~18.0% |
| 担保や保証人 | 不要 |
| 保証料 | 無料 |
| 必要書類 | 法人:代表者の本人確認書類、決算書 個人事業主:本人確認書類、確定申告書、事業内容確認書 |
| 用途 | 事業資金であれば自由 |
| 融資時間 | 最短即日 |
事業計画書や登記簿謄本といった準備が面倒な書類は必要なく、Web入力と郵送だけで契約手続きは完結します。
来店や相談予約も不要で、入金日が迫っているときの利用に便利です。
資金用途は原則自由のため、使い道が限定されず従業員の給与や運転資金にも利用できます。
最も大きいデメリットは金利の高さ
ノンバンク系のビジネスローンのデメリットは、最高18.0%と高い金利が設定されている点です。
利息制限法により上限が定められているものの、他の融資と比べると高いことに変わりはありません。
利息制限法による金利上限
| 借入元本 | 上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 20.0% |
| 10万円以上100万円未満 | 18.0% |
| 100万円以上 | 15.0% |
参照元:e-GOV|利息制限法
100万円以上の融資も最高15.0%の金利が適用されます。
日本政策金融公庫や制度融資を使えば金利1~3%程度でおさまるため、比較すると利息は大きく膨らみやすいです。
ノンバンク系ビジネスローンは緊急時に短期返済を前提に使う融資サービスだと割り切りましょう。
創業資金やまとまった金額が必要な設備投資には、他の融資制度や商品の利用が向いています。
事業資金の融資を受けたいときの準備や審査に通るためにするべきこと
事業資金の融資を受けたいときは、申込前に以下の点を押さえて準備に取り掛かりましょう。
- 個人事業主は開業届提出と確定申告が欠かせない
- 開業資金は専用の融資制度や商品を探す
- 具体性のある事業計画書を作成する
- 必要書類は内容を確認して正しく揃える
個人事業主が事業資金の融資を受けるときは、開業届や確定申告で事業を営んでいると証明する必要があります。
開業資金の融資を受けたい人は、金利が低くサポート面も期待できる創業融資制度の利用から検討しましょう。
条件の良い融資で審査に通るには、事業計画書の内容も重要です。
金利が低い融資は必要書類も多くなりがちなため、抜けや誤りがないよう確認してから手続きを始めましょう。
個人事業主は開業届提出と確定申告がマスト
個人事業主が事業資金の融資を受けるときは、事業をしていると確認できる開業届や確定申告書の提出を求められやすいです。
開業届を提出しておらず確定申告もしていなければ、実態がないとして事業資金の融資は受けられません。
開業届は原則として事業開始から1か月以内に提出
開業届は所得税法229条の定めにより、事業開始や事業所の設置から1か月以内に管轄の税務署へ提出が必要です。※
提出しなくても特に罰則は定められていないものの、個人事業主が資金調達をするときに提出を求められるケースがあります。
開業届の提出方法は、e-TAXまたは管轄の税務署に直接のどちらかです。
費用はかからず審査などもないため、手続きはすぐに完了します。
すでに事業を始めている人は、時間を見つけて開業届を提出しましょう。
※ 参照元:e-GOV|所得税法
確定申告書は利益や納税の有無を確認される
確定申告をしていると、事業の収支を把握していて納税も行っている証明となります。
公的な書類で利益が証明できれば融資実行の大きな判断材料にもなるため、事業を行っているなら必ず確定申告は行いましょう。
確定申告は、白色と青色どちらでも問題ありません。
なお、融資の申込条件には「税務申告〇期以上」と書かれているケースも多いです。
日本政策金融公庫の国民生活事業で融資を受けるときも、確定申告書は原則として2期分必要です。
事業を営んでいるのに確定申告をまったくしていない状態は、利益がなく事業とは言えない、税金を正しく納めていないのどちらかと判断されます。
いずれも融資を断られる原因となるため、事業を始めた年度から正しく確定申告を行いましょう。
開業資金を借りたいときは創業融資制度を利用する
開業資金の融資を受けたい人は、最初に創業融資制度への申し込みを検討しましょう。
開業前はまだ利益や事業実態がないため、財務状況の分かる書類の提出が必要な事業資金融資は受けられません。
創業融資制度は、日本政策金融公庫や自治体の制度融資に取り扱いがあります。
ノンバンク系ビジネスローンや銀行でも創業融資はあるものの、金利は高く利息負担が大きいです。
公的な融資制度なら金利は低く、事業計画書の作成から相談できます。
貸付条件は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 | ||
|---|---|---|---|
| 申込条件 | 新たに事業を始める人 事業開始後おおむね7年以内 |
||
| 融資額 | 最大7,200万円 ※運転資金は4,800万円まで |
||
| 金利 | 無担保、税務申告2期未満 | 2.50%~4.00% | |
| 無担保、税務申告2期以上 | 2.60%~4.10% | ||
| 有担保 | 1.60%~3.70% | ||
創業融資は基準利率よりも金利優遇があり、より少ない負担で事業を始められます。
これから起業する人だけでなく、事業開始から税務申告2期未満の人も金利優遇ありで利用できる点もメリットです。
自己資金で事業を開始したけど資金繰りに苦労していたり、創業後すぐに設備投資の必要が出たりした人は相談を申し込みましょう。
ノンバンク系と比べて必要書類や手続きが多いため、時間に余裕を持って申し込むのが大事です。
資金の用途や将来性が具体的な事業計画書を作成する
より低い金利で事業資金の融資を受けたいなら、金融機関側が納得できる事業計画書の作成が必須です。
まったく知識のない状態から事業計画書を作るのは困難なため、初めて作成する人はサポートを受けましょう。
日本政策金融公庫には事業計画書や創業計画書のテンプレートがあり、記入段階での相談もできます。
主な記載内容は以下の通りです。
- 事業のセールスポイント
- 売上予測
- 販売戦略
- 客単価(受注単価)や販売する商品やサービスの売上シェア
- 競合や市場環境の情報
- 売上や収益を上げるための具体的な対策
客単価や経費から具体的な販売戦略と売上予測がされていれば、より実現性があり説得力は増します。
審査担当者と面談するときは、借りたお金の使い道を明確に説明することも重要です。
競合や市場環境についてもよく調査し、リスクと具体的な対策も考えておきましょう。
説得力のある事業計画書が作成できれば、収支の見通しが立っており返済能力があると認められやすいです。
事業計画書の作成サポートは、各地域の商工会議所でも行っています。
さまざまな場所で相談し、視野を広げて魅力的な事業計画書を作成しましょう。
必要書類は不備のないよう正しく揃えて提出する
事業資金の融資に申し込むときは、必要書類の内容に誤りがないか、すべて揃っているかよく確認してから申し込みましょう。
貸付条件が良いほど必要書類は多い傾向にあり、審査の過程で追加提出を求められるケースもあります。
例えば日本政策金融公庫の中小企業・小規模事業者向け融資制度では、申込時点で以下の書類が必要です。
それぞれ記入項目が多く、事業内容や業歴により必要な書類が異なります。
面談では事業計画書や具体的な財務状況が分かる書類も求められるため、すべての書類で矛盾が出ない内容の記載が必要です。
書類の記載内容に誤りがあると、正しく審査を行えず再確認にも余計に時間を使います。
書類が揃っていなかったり内容に不備があったりすると、申込者自身の信用度が下がり審査に悪影響を及ぼす可能性も。
融資を実現するためにも、細かい項目まで正しく記入できているかよく確認しましょう。
事業資金を借りるときに注意したいポイント
事業資金の融資を受けるときに、注意したいポイントは4つあります。
- 借りた事業資金を目的外のことに使ってはいけない
- 代表者の信用情報も審査対象になる
- 審査の通りやすさを重視すると金利が高くなりがち
- 審査に通らないなら融資以外の資金調達方法も要検討
事業資金は用途を明確にして融資を受けるのが一般的です。
当初の目的外のことに使ったことが金融機関に知られると、信頼関係が損なわれ今後の取引に悪影響を及ぼします。
融資を受けるときは、事業の業績だけでなく申込者本人の信用情報も審査対象です。
日頃から個人的な支払いや返済に遅れやすい人は、事業資金の融資難易度が上がります。
審査の通りやすさと金利の高さは比例する傾向にあり、返済負担を考えずに融資を受けると後々資金繰りに苦労しやすいです。
審査に通らないときのために、融資以外の資金調達方法についても知っておきましょう。
借りた事業資金を他の目的で使うと金融機関からの信用を失くす
事業資金融資で借りたお金は、当初の目的外のことに使ってはいけません。
借りたお金を別のことに使うと、入出金履歴や財務関連の書類から簡単にバレます。
例えば個人の生活費に流用したり、金額を大きくしようと投資資金にまわしたりするのは印象が悪いです。
事業計画書や見積書通りに使わなかったとなると規約違反となり、早期完済を求められる可能性があります。
金融機関の信頼を失くすため、今後新たな融資が必要になっても継続取引が見込めません。
他の目的で事業資金が必要になったときは、現在融資を受けている金融機関に相談しましょう。
個人的な目的でお金が必要なら、同じ金融機関の個人向け融資商品が優遇金利で利用できる可能性があります。
事業融資でも代表者個人の信用情報が審査対象になる
事業資金の融資を受けるときは、会社の財務状況だけでなく代表者の信用情報も審査対象となります。
保証協会や保証会社が付かない融資は代表者が連帯保証人となるのが一般的で、審査への影響はより強いです。
過去5年以内に債務整理の経験があったり、日ごろから支払いや返済が遅れがちな人は審査落ちのリスクが高まります。
心当たりがある人は、信用情報照会を行って現在の状況を確認しましょう。
信用情報機関は3つあり、それぞれで情報を共有しているため得られる情報に大差はありません。
- JICC(日本信用情報機構)
- CIC
- KSC(全国銀行個人信用情報センター
毎月の支払状況に不安がある人は、直近2年分の入金状況が確認できるCICが向いています。
KSCは、自己破産や個人再生の履歴が7年残るのが特徴です。
いずれもインターネット開示に対応しており、開示請求をするとすぐに内容が確認できます。
情報は保管期限が過ぎるまで残り続けるため、日ごろから信用情報に傷が付かないよう個人の金銭管理も徹底しましょう。
借りやすい傾向の事業資金は金利が高い傾向にある
審査の通りやすさや手軽さを重視して金融機関を選ぶと、選択肢は金利が高いところに限られがちです。
日本政策金融公庫は事業計画書(創業計画書)をはじめ書類が多く審査も慎重ですが、上限金利は年5.0%以内におさまります。
ノンバンク系ビジネスローンは、事業資金なら用途は自由で必要書類も少ないケースが多いです。
しかし上限金利は18.0%と高めの水準で、長く借り続けると利息が膨らみ財務状況を圧迫します。
事業計画書の作成や書類の用意は面倒ですが、目先の資金調達だけでなく長期的な影響も考慮して金融機関を選びましょう。
事業資金を借りられないときは融資以外の方法も検討する
審査に通らず借りられない、手間をかけて審査を受けるほど多額のお金は必要ないときは、他の資金調達方法も検討しましょう。
融資以外では主に以下の方法で事業資金を調達できます。
- クラウドファンディング
- ビジネスカード
- ファクタリング
クラウドファンディングは、魅力のある事業をアピールして不特定多数の個人から資金を集める方法です。
ただ資金を集めるだけでなく、リターンの用意やプロジェクトの途中経過を報告する必要があります。
融資と違って金融機関の審査はなく、返済不要なのが大きなメリットです。
応援したい、購入したいと思わせる必要があり、必ずしも事業資金が満額用意されるとは限りません。
Web上にはいくつかクラウドファンディングサイトがあるため、どのようなプロジェクトが注目を集めているのか確認しましょう。
ビジネスカードは事業者向けのクレジットカードで、支払いを翌月以降の後払いにできます。
保険や優待が付帯していたり、資金管理の一本化で効率化が図れたりするのがメリットです。
券種によっては支出を会計ソフトに自動出力するサービスもあり、経理負担の軽減も期待できます。
取引先からの入金タイミングが合わず支払いが間に合わないなら、ファクタリングの利用も検討しましょう。
ファクタリングは、請求書など売掛債権を売却して資金を得る方法です。
売掛債権の信用度が重要となるため、融資とは違う審査基準があり信用情報も確認されません。
どの資金調達方法がベストなのかは状況により異なります。
各金融機関や地域の商工会議所の無料相談も利用して、どのように事業資金を用意できるか視野を広めて検討しましょう。
