ファクタリングは、売掛債権を譲渡することによって資金調達する方法です。
売掛債権を譲渡する際に必要になるのが、売掛債権の請求書です。
問題となるのは、請求書だけでファクタリングを利用できるかどうかです。
そこで、この記事では、ファクタリングは請求書だけで利用できるのかを解説するとともに、請求書以外に必要な書類はあるのかなどについて解説します。
ファクタリングは請求書だけで利用できる？
ファクタリングを利用する場合、（ファクタリング会社に提出する書類として）請求書だけでは利用できません。
というのは、ほとんどのファクタリング会社が申込みの際に必要書類として、請求書以外の書類の提出を求めているからです。
ファクタリング会社が提出書類として請求書だけでなく、他の書類を求めているのは、これらすべての書類がなければ、必要な審査ができないからです。
ファクタリング会社が審査している主なポイントは、次の3つです。
・売掛債権の存在の有無
・二重譲渡に該当するか否か
・過去に売掛先との間に取引があったか
この中で、上の2つに該当する（売掛債権が存在しない、二重譲渡に該当する）場合、ファクタリング会社が売掛金を回収できなくなるため、特に重要な審査項目になります。
3つ目の売掛先との取引の有無は、過去に取引があったなら、ファクタリング会社は信用できる売掛先との取引だと判断します。
また、ファクタリングが請求書だけでは利用できない理由として、ファクタリングには（原則として）償還請求権がないことも挙げられます。
償還請求権とは、ファクタリング会社が売掛金を回収できなかった場合にファクタリング利用者に対して、売掛金の支払いを請求する権利のことです。
つまり、ファクタリング会社は、原則として償還請求権がないため、ファクタリング審査において、この3つのポイントを審査しているのです。
ファクタリングを利用する際に請求書以外に必要な書類
ファクタリングを利用する際に請求書以外に必要な書類は、次のとおりです。
・通帳コピー
・本人確認書類（運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど）
法人
・商業登記簿謄本
・決算報告書
・試算表
・取引基本契約書（売掛先）
・発注書・納品書
・印鑑証明書
個人事業主
・開業届
・確定申告書
通帳コピーと取引基本契約書は、売掛先と過去に取引があったかどうかを確認するほか、売掛金の未払いや支払いの遅れがあったかどうかを確認するための書類です。
商業登記簿謄本と開業届は、実際に存在する会社や個人事業主かを確認するための書類です。
発注書や納品書は、場合によっては請求書の代わりになるかもしれません。
このように、ファクタリングを利用するためには、請求書だけではなく、請求書以外の書類を提出する必要があります。
ファクタリングのメリット
ファクタリングを申し込む際は、請求書以外に必要な書類がありますが、基本的にはそれほど提出書類が多いというわけではありません。
そのため、必要書類が少ないことによるメリットもあります。
ファクタリングには、次のようなメリットがあります。
・最短即日で資金調達できる
・オンラインで手続きが完結
・償還請求権がない
・借入れではないので、負債ではない
・信用情報に影響がない
・担保や保証人が不要
ファクタリングを利用する場合、必要書類が少ないので、最短即日で資金調達できる会社があります。
また、コロナ禍以降、オンラインで手続きが完結されるファクタリング会社が多くなりました。
償還請求権については前述しましたが、償還請求権がないため、請求書だけではファクタリングは利用できないのです。
また、ファクタリングは、借入れではないため、信用情報には影響がありません。
銀行融資と違って、担保や保証人が不要なのもファクタリングのメリットです。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングには、次のようなデメリットがあります。
・手数料が高い
・悪徳業者に欺されるおそれがある
ファクタリングには銀行融資などと比べると、手数料が高いというデメリットがあります。
正確には銀行融資の利子と手数料は比べられませんが、ファクタリングの手数料は割高です。
そのため、ファクタリングは使いすぎると調達できる資金が大きく減ってしまうため、注意が必要です。
また、ファクタリング会社の中には、悪徳業者が紛れ込んでいるおそれがあるため、ファクタリング会社選びは慎重にしなければなりません。
ファクタリング会社の選び方
ファクタリング会社は数多くあるため、会社によってファクタリングの審査条件が違っています。
ここでは、ファクタリング会社を選ぶ際の主なポイントを解説します。
ファクタリングを選ぶ際の主なポイントは、次のとおりです。
・資金調達までのスピード
・手数料
・信頼性（悪徳業者か否か）
資金調達までのスピードは、ファクタリングの最も重要なメリットの1つです。
ファクタリング会社の中には、最短即日で資金調達できる会社もあります。
そのため、すぐにでも資金調達したい場合は、最短即日で資金調達可能なファクタリング会社を選びましょう。
ファクタリングの手数料は高い傾向がありますが、ファクタリング会社によっても違っています。
すでに解説したとおり、ファクタリング会社の中には、悪徳業者が紛れ込んでいるおそれがあるため、ファクタリング会社を選ぶ際は注意が必要です。
ファクタリング会社の選び方はこちらの記事でも紹介しております。
まとめ
この記事では、ファクタリングは請求書だけで利用できるのかを解説するとともに、請求書以外に必要な書類はあるのかなどについて解説しました。
ファクタリングは、請求書だけでは利用できません。
ほとんどのファクタリング会社が申込みの際に、請求書以外の書類の提出を求めているからです。
ファクタリング会社が請求書だけでなく、他の書類の提出を求めているのは、これらすべての書類がなければ、必要な審査ができないからです。
そのため、ファクタリングを利用する際には、申し込むファクタリング会社の必要書類を調べて、提出する必要があります。
この記事が、ファクタリングを利用する際の参考になれば幸いです。
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