借金の返済で頭がいっぱいになり、「もう自己破産するしかないのか…」と夜も眠れない日々を過ごしていませんか?あるいは、「自己破産したら家も車も仕事もすべて失う」という恐怖から、誰にも相談できずに一人で苦しんでいるかもしれません。
株式会社ZIST 編集部として、まず皆様にお伝えしたい事実があります。それは、「自己破産は、借金を解決するための数ある手段の1つに過ぎない」ということです。

「債務整理」という国が認めた解決の枠組みの中には、家を残せる「個人再生」や、家族に内緒で進めやすい「任意整理」といった、自己破産以外の選択肢が用意されています。
この記事では、法律や専門用語に馴染みのない方でも3分で理解できるよう、債務整理と自己破産の決定的な違い、メリット・デメリット、そして「いまのあなたに最も適した解決策」を見つけるための判断基準を分かりやすく解説しました。
借金問題は、放置すればするほど利息や遅延損害金が膨らみ、選べる選択肢が狭まってしまいます。正しい知識を身につけ、専門家の力を借りることで、平穏な日常は必ず取り戻せます。まずはこの記事でご自身の状況を診断し、解決への第一歩を踏み出してください。
債務整理と自己破産の違いとは?「総称」と「手段」という決定的な違い
しかし、これらがどう違うのか、自分はどうなってしまうのかが分からず、不安ばかりが募っている方も多いのではないでしょうか。
まず初めに、一番大切なことをお伝えします。「自己破産しかない…」と思い詰める必要はありません。自己破産はあくまで数ある解決策の1つに過ぎないのです。
借金問題は、正しい知識さえ持っていれば必ず解決の糸口が見つかります。ここでは、株式会社ZIST 編集部が中立的かつ客観的な立場から、債務整理と自己破産の決定的な違いについて分かりやすく解説します。
債務整理は借金解決の「総称」、自己破産はその1つの「手段」
多くの方が「債務整理=自己破産」と誤解し、「手続きをすれば家財道具をすべて失い、人生が終わってしまうのではないか」という恐怖から、専門家への相談をためらってしまいます。しかし、この2つは全く異なる階層の言葉です。
結論から言うと、「債務整理」とは、国が認めた借金問題を法律に基づいて解決する手続き全体の「総称」です。一方の「自己破産」は、債務整理という大きな枠組みの中に含まれる1つの具体的な「手段」に過ぎません。
例えるなら、「旅行」という大きな目的(総称)の中に、新幹線、飛行機、高速バスといった「移動手段」があるようなものです。目的地(借金問題の解決)は同じでも、現在の収入や財産状況、誰に内緒にしたいかによって、選ぶべき最適な手段は異なります。
債務整理には、主に以下の4つの代表的な手続きが存在します。
- 任意整理:裁判所を通さず、カード会社などと直接交渉する手続き
- 個人再生:裁判所を通し、借金総額を大幅に減額する手続き
- 自己破産:裁判所を通し、借金の支払義務を全額免除してもらう手続き
- 特定調停:裁判所の調停委員を交えて、債権者と返済方法を話し合う手続き
つまり、自己破産は債務整理の中でも「もっとも強力に借金をゼロにする方法」ですが、同時に財産を手放すなどのデメリットも伴うため、あくまで最終手段として位置づけられることが多いのです。
ご自身の状況によっては、自己破産をせずとも、マイホームを手放さずに済む「個人再生」や、家族に内緒で進めやすく保証人に迷惑をかけない「任意整理」で十分に生活を立て直せる可能性が残されています。
【一覧】任意整理・個人再生・自己破産の違いがわかる比較表

債務整理の中でも、実務上特によく利用される「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きについて、どのような違いがあるのかを直感的に把握できるよう比較表にまとめました。
それぞれのメリットやデメリット、生活に与える影響の大きさが一目でわかります。
| 比較項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
| 裁判所の関与 | なし(債権者との直接交渉) | あり | あり |
| 借金の減額幅 | 将来利息のカットのみ (元金は減らないことが多い) | 大幅に減額 (最大で5分の1から10分の1程度) | 全額免除(ゼロになる) ※税金などは除く |
| 財産の処分 | 原則なし | 原則なし (住宅ローン特則で家を残せる) | 20万円以上の価値ある財産は処分 (99万円以下の現金等は残せる) |
| ブラックリスト (信用情報機関への登録) | 約5年間登録される | 約5〜7年間登録される | 約5〜7年間登録される |
| 官報への掲載 | 掲載されない | 掲載される | 掲載される |
| 保証人への影響 | 影響なし (保証人付きの借金を除外できる) | 保証人に一括請求される | 保証人に一括請求される |
表の各項目について、専門的な観点からさらに詳しく補足して解説します。

1. 裁判所の関与と手続きの手間
任意整理の最大の特徴は「裁判所を通さない」私的な整理である点です。必要書類が少なく、弁護士や司法書士に依頼した後は、ほぼお任せで手続きが進みます。対して、個人再生と自己破産は裁判所を介す「法的手続き」となるため、家計簿の提出や財産状況の厳格な調査が求められ、手続きにかかる期間や費用も大きくなります。
2. 借金の減額効果
自己破産の強みは、なんといっても「借金が全額免除(免責)される」ことです(ただし、税金や養育費、悪意による損害賠償などの非免責債権は残ります)。任意整理はあくまで「将来発生する利息(利息制限法の上限金利内であっても)をカットし、残った元金を3年〜5年で分割返済する」手続きのため、借金の元金そのものが年収に対して多すぎる場合には解決が困難です。個人再生は、借金総額を「最低100万円」や「5分の1」等まで強制的に圧縮できるため、自己破産と任意整理の中間的な減額効果を持ちます。
3. 財産(マイホームや車)の処分
自己破産をためらう最大の理由がこの「財産処分」でしょう。自己破産では、マイホームや査定額が20万円以上の車、解約返戻金の大きい生命保険などは換価(お金に換えること)され、債権者に配当されます。しかし、「身ぐるみ剥がされる」というのは誤解です。生活に不可欠な家具家電や、99万円以下の現金は「自由財産」として手元に残すことが法律で保障されています。一方、任意整理や個人再生では、住宅ローンを支払い続けることでマイホームを維持する道(住宅資金特別条項)が用意されています。
4. ブラックリスト(信用情報機関)への登録
3つの手続きの共通のデメリットが、信用情報機関(JICC、CIC、KSCなど)に金融事故情報が登録される、いわゆる「ブラックリスト入り」です。どの手続きを選んだとしても、完済または手続き終了から約5年間(全国銀行個人信用情報センターの官報情報は破産・個人再生の場合7年間)は、新たなクレジットカードの作成、住宅ローンや自動車ローンの契約、スマートフォンの端末分割払いが非常に困難になります。
5. 官報への掲載と周囲への影響
「官報」とは国が毎日発行している機関紙です。裁判所を通す自己破産と個人再生は、この官報に住所と氏名が掲載されます。しかし、官報を日常的にチェックしているのは金融機関やごく一部の法律関係者などに限られるため、これによって勤務先や近所の人に債務整理の事実がバレる可能性は極めて低いのが現実です。任意整理は官報には一切掲載されません。
6. 家族・保証人への影響
奨学金や事業資金などで家族や親族が連帯保証人になっている場合、手続きの選び方は極めて重要です。自己破産や個人再生は「すべての借金を平等に扱う(債権者平等の原則)」必要があるため、本人の借金が免除・減額されても、その請求はそのまま保証人へ一括請求として向かってしまいます。任意整理であれば、「保証人がついている借金はそのまま払い続け、他のカードローンだけを整理する」といった柔軟な対象の選択が可能なため、保証人に迷惑をかけずに解決を図ることができます。
このように、債務整理の3つの方法はそれぞれに一長一短があります。ご自身の「借金の総額と収入のバランス」「絶対に守りたい財産の有無」「保証人の有無」を冷静に分析し、最適な「手段」を選択することが、無理のない生活再建への第一歩となります。
3分でわかる!あなたに合う債務整理の選び方診断

あなたの生活を守るための最適な手段は、必ず見つかります。まずは自分の状況を客観的にチェックしてみましょう。
借金問題を解決するためには、現在の借金総額、安定した収入の有無、そして「どうしても手放したくない財産や人間関係があるか」という優先順位を整理することが不可欠です。以下に、3つの手続きがそれぞれどのような状況の方に合っているのか、判断基準を分かりやすく解説します。
【任意整理が合う人】家や車などの財産を残したい・保証人に迷惑をかけたくない派

債務整理の中で最も利用者が多く、手続きの負担が少ないのが「任意整理」です。裁判所を通さず、各カード会社や消費者金融と個別に交渉し、将来の利息をカット(0%)してもらった上で、残った元金を原則3年〜5年(36回〜60回)の分割で返済していく方法です。
任意整理が適しているのは、以下のような状況の方です。
- 毎月安定した収入があり、利息さえ無くなれば元金を3〜5年で完済できる見込みがある方
- どうしても手放したくない財産(持ち家、車、高額な生命保険など)がある方
- 家族に絶対に内緒で借金を整理したい方
- 奨学金など、親族や友人が連帯保証人になっている借金がある方
任意整理の最大のメリットは、「整理する借金の対象を自由に選べる」という点です。
たとえば、「住宅ローンと自動車ローンはこれまで通り支払い続けて家と車を維持しつつ、負担の重い消費者金融とクレジットカードのリボ払いだけを任意整理の対象にする」といった柔軟な対応が可能です。
また、連帯保証人がついている借金を整理すると、債権者は保証人に一括請求を求めてしまいます。しかし、任意整理であれば「保証人付きの借金は除外して、それ以外の借金のみを整理する」ことで、保証人に迷惑をかけることなく手続きを進めることができます。
【個人再生が合う人】マイホームを死守しつつ借金を大幅(1/5程度)に減額したい派

「任意整理で利息をカットしてもらったとしても、借金の元金そのものが大きすぎて到底3〜5年では完済できない。でも、せっかく手に入れたマイホームだけは絶対に手放したくない」
そんなジレンマを抱えている方のために国が用意した強力な法的手段が「個人再生」です。
個人再生は、裁判所を通して借金総額を大幅に圧縮(最大で5分の1、または最低100万円まで等)し、その減額された借金を原則3年(事情により最長5年)で分割返済していく手続きです。
個人再生が適しているのは、以下のような状況の方です。
- 借金総額が大きく(住宅ローンを除き5,000万円以下)、任意整理では解決が難しい方
- 将来にわたって継続的・反復して収入を得る見込みがある方(サラリーマンだけでなく、安定収入があれば自営業やアルバイトでも可)
- 住宅ローン返済中のマイホームをどうしても手元に残したい方
- 自己破産をすると資格制限(警備員や保険外交員など)に引っかかり、仕事を失うリスクがある方
- 借金の原因がギャンブルや浪費などで、自己破産の「免責不許可事由」に該当する不安がある方
個人再生の最も大きな武器は、「住宅資金特別条項(いわゆる住宅ローン特則)」を利用できる点です。
通常、債務整理を行うと住宅ローンを組んでいる金融機関は抵当権を実行し、家は競売にかけられてしまいます。しかし、この特則を利用すれば、「住宅ローンだけは今まで通り(あるいはリスケジュールして)支払い続けることを条件に、マイホームを手放さずに他の借金だけを大幅に減額する」という、まさに夢のような解決が可能になります。
ただし、個人再生には「清算価値保障の原則」という厳しいルールがあります。これは、「最低でも、今自分が持っている財産の総額以上の金額は返済しなければならない」という決まりです。つまり、住宅ローン以外の財産(高価な車や多額の退職金見込額など)が多すぎる場合、借金があまり減らないケースがある点には注意が必要です。
【自己破産が合う人】収入がなく、とにかく借金をゼロにしてリセットしたい派

借金が膨れ上がり、失業や病気で収入が絶たれ、「どう計算しても返済の目処が立たない」という窮地に陥った場合の最終にして最強の解決策が「自己破産」です。
自己破産は、裁判所に「支払不能」であることを認めてもらい、一定の財産を清算する代わりに、借金の返済義務をすべて免除(免責)してもらう法的手続きです。
自己破産が適しているのは、以下のような状況の方です。
- 病気や失業などで無職、または極端に収入が低く、返済能力が完全に失われている方
- 借金総額が現在の年収を大きく上回っており、任意整理や個人再生でも完済の見込みがない方
- 持ち家などの高価な財産を持っておらず(または手放しても構わず)、とにかく借金の苦しみから解放されたい方
「任意整理」や「個人再生」が、あくまで自分の力で借金の一部を返し続けることを前提としているのに対し、自己破産は「借金そのものをゼロにする(免責)」という圧倒的な効果を持っています。
しかし、自己破産はすべての借金を平等に清算するため、整理する借金を選ぶことはできません。住宅ローンや車のローンが残っていれば当然引き揚げられますし、保証人がいれば一括請求が向かってしまいます。
だからこそ、ご自身の状況が「任意整理で済むレベル」なのか、「個人再生で家を守りつつ圧縮すべき」なのか、それとも「自己破産で完全にリセットすべき」なのかの判断は、専門家の知見を交えて慎重に行う必要があるのです。
自己破産を選ぶとどうなる?借金ゼロのメリットと初心者が不安になるデメリット

もし、先の診断で「自分には自己破産しか道が残されていないかもしれない」と感じたとしても、絶望する必要はありません。
ここでは、自己破産を選択した場合に実際にどのようなメリットとデメリットが生じるのかを、法律の事実に基づいて客観的に解説します。
最大のメリットはすべての借金(税金等を除く)がゼロになること
自己破産の最大の、そして唯一無二のメリットは、裁判所から「免責許可決定」を受ければ、抱えている借金の支払義務が法的にすべて免除される(借金がゼロになる)ことです。
毎日鳴りやまなかった督促の電話や、給料の差し押さえに対する恐怖から完全に解放され、毎月得た収入をすべてご自身や家族の生活のために使えるようになります。これは、任意整理や個人再生にはない、破産法が定めた究極の救済効果です。
ただし、すべての支払いが免除されるわけではありません。
破産法では、自己破産をしても支払義務が残る「非免責債権」を定めています。代表的なものは以下の通りです。
- 税金、国民健康保険料、国民年金保険料
- 養育費、婚姻費用
- 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償金
- 罰金
これらは自己破産後も支払い続ける必要があるため、滞納がある場合は役所の窓口などで分割払いの相談をする必要があります。
デメリット1:持ち家や車など一定の財産(20万円以上)は処分される
自己破産の最大の代償が、この「財産の処分」です。借金をゼロにしてもらう代わりに、債務者が持っている価値ある財産はお金に換え(換価)、債権者に平等に分配(配当)しなければなりません。
具体的には、時価20万円以上の価値がある財産(マイホーム、土地、査定額20万円以上の自動車、解約返戻金が20万円以上の生命保険、高額な有価証券など)は、原則として処分の対象となります。
しかし、「無一文になって明日から生きていけなくなる」というのは完全な誤解です。破産法では、債務者の今後の生活を保障するため、手元に残せる「自由財産」を定めています。
- 99万円以下の現金
- 生活に欠かせない衣服、寝具、家具、家電製品などの生活必需品
テレビや冷蔵庫、スマートフォンなどの一般的な家財道具が没収されることはありません。また、ローンが残っていない、かつ査定額が20万円を下回る古い車であれば、そのまま乗り続けることが可能です。
デメリット2:信用情報機関(ブラックリスト)に5〜7年程度登録される
債務整理共通のデメリットですが、自己破産をすると信用情報機関(JICC、CIC、KSCなど)に金融事故情報として登録されます。これが俗に言う「ブラックリスト入り」です。
この登録により、免責許可決定の確定などから約5年〜7年間は、以下のことが非常に困難になります。
- 新規のクレジットカードの作成や、現在持っているカードの利用
- 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの借り入れ
- スマートフォンの端末代金の分割契約
- 他人の借金の保証人になること
ただし、これは「一生カードが作れない」わけではありません。登録期間が経過し、信用情報から事故情報が抹消されれば、再びクレジットカードを作ることもローンを組むことも可能になります。また、登録期間中であっても、審査不要なデビットカードや家族カードの利用、スマートフォンの端末を一括購入することは問題なく行えます。
【安心材料】家族の財産が処分されたり、戸籍に載ったりすることはない
自己破産に対する恐怖心の多くは、誤った情報によるものです。ここで、自己破産において「起きないこと」を明確にしておきます。
- 家族の財産は処分されない自己破産で処分されるのは、あくまで「破産者本人の名義」の財産のみです。配偶者や子供の名義の預金や車が没収されることはありません。(ただし、名義を意図的に隠蔽・譲渡した場合は問題になります)。
- 家族の就職や結婚、ローン審査に直接的な影響はない信用情報は個人ごとに管理されています。親が自己破産をしたからといって、子供の就職に不利になったり、配偶者自身の名義でクレジットカードを作る審査に落ちたりすることはありません。
- 戸籍や住民票には一切記載されない自己破産の事実が戸籍謄本や住民票に「破産者」として載ることはありません。したがって、役所で書類を取ったことで他人にバレることはありません。
- 選挙権は失われない自己破産によって公民権が停止されることはありません。選挙に投票に行くことも、立候補することも可能です。
- 会社を解雇される理由にはならない自己破産したことを会社に知られたとしても、それだけを理由に会社が従業員を解雇することは、労働契約法上「客観的に合理的な理由を欠く」とされ、原則として認められません。ただし、破産手続き中(免責が下りるまで)は、警備員や生命保険外交員など「一部の資格や職業に就けない制限(資格制限)」があるため、一時的な配置転換などの対応が必要になる場合があります。
自己破産は、多重債務で苦しむ人を救済し、経済的な再生(フレッシュスタート)を図るための正当な法的手続きです。正確な知識を持てば、必要以上に恐れるものではないことがお分かりいただけるはずです。
自己破産を回避!任意整理と個人再生を選ぶメリットとデメリット
「自己破産に抵抗がある方へ。財産を守りつつ、毎月の返済額を現実的なレベルまで下げる手段は残されています。」
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを詳しく掘り下げ、どのように生活を立て直していくのかを解説します。
任意整理のメリット・デメリット:将来利息をカットし、周囲に内緒で進めやすい
任意整理は、債務整理の中で最も利用者が多く、日常的な生活への影響が一番少ない手続きです。
【任意整理の主なメリット】
- 将来の利息がカットされるカード会社や消費者金融と弁護士・司法書士が直接交渉し、合意成立後から完済までに発生する「将来利息」や「遅延損害金」を原則カット(0%)してもらいます。これにより、毎月の返済がすべて元金の減額に充てられるため、確実に借金が減っていくようになります。
- 整理する借金を選べる(財産維持・保証人保護)「住宅ローンや自動車ローンはそのまま支払い続けて家と車を維持し、クレジットカードのリボ払いだけを整理する」「親が保証人になっている奨学金は除外し、消費者金融の借金だけを整理する」といった柔軟な対応が可能です。
- 周囲に内緒で進めやすい裁判所を通さないため、官報に名前が掲載されることがありません。また、必要書類も少なく、手続きの大半を専門家に任せることができるため、同居の家族や職場に知られるリスクを最小限に抑えられます。
- 職業制限がない自己破産のような職業・資格の制限がないため、警備員や保険外交員の方でも、仕事を休職したり退職したりすることなく手続きが可能です。
【任意整理の主なデメリット】
- 借金の「元金」そのものは大きく減らない過払い金(払いすぎた利息)が発生している例外的なケースを除き、借金の元金自体が減るわけではありません。残った元金を原則3年〜5年(36回〜60回)で分割返済していく必要があるため、継続的かつ安定した収入が必須条件となります。
- 信用情報機関(ブラックリスト)に登録される手続きを行うと、信用情報機関に事故情報が登録され、約5年間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が難しくなります(※ただし、CICは公式FAQにて「弁護士等が介入した旨・債務整理を依頼した事実はコメント登録されない」と明言しています。情報の扱いは機関により異なります)。
- 債権者が交渉に応じないリスクがあるあくまで当事者間の「任意の話し合い」であるため、取引期間が極端に短い場合や、債権者(貸金業者)の方針によっては、長期間の分割払いや利息の全額カットに応じてもらえないケースも近年増加傾向にあります。
個人再生のメリット・デメリット:住宅ローン特則で家を残しつつ借金を減らせる
個人再生は、「任意整理では返済しきれないほど借金が膨らんでいるが、自己破産をしてマイホームを失うのだけは避けたい」という方に適した法的手続きです。
【個人再生の主なメリット】
- 借金総額が大幅に減額される裁判所が認可した再生計画に基づき、借金総額を5分の1から10分の1程度(最低弁済額は原則100万円)にまで大幅に圧縮できます。例えば、500万円の借金が100万円まで減額されれば、月々約2万8,000円を3年間支払うことで完済扱いとなります。
- 「住宅資金特別条項」でマイホームを守れる個人再生の最大のメリットです。住宅ローンについては減額の対象とせず従来通り(またはリスケジュールして)支払い続けることで、抵当権の実行(競売)を防ぎ、自宅に住み続けながら他の借金だけを大幅に減らすことができます。
- 自己破産のような免責不許可事由がない借金の原因がギャンブルや浪費であっても、個人再生の認可には影響しません。また、自己破産のような職業・資格の制限もありません。
【個人再生の主なデメリット】
- 安定した継続収入が厳しく問われる大幅に減額されたとはいえ、原則3年(事情により最長5年)で確実に返済を完了しなければならないため、裁判所から「再生計画を履行できるだけの安定的で継続的な収入があるか」を厳格に審査されます。
- すべての借金が対象になる(整理する対象を選べない)任意整理とは異なり、「この借金だけは除外する」ということはできません。住宅ローン特則の対象となる住宅ローン以外は、自動車ローンも、保証人付きの借金もすべて手続きの対象に巻き込まれるため、ローン中の車は引き揚げられ、保証人には一括請求がいってしまいます。
- 清算価値保障の原則がある「減額後の返済総額は、債務者が現在持っている財産の総額(清算価値)を下回ってはならない」というルールがあります。つまり、高額な退職金見込額や解約返戻金、住宅ローン以外の価値ある不動産などを持っていると、借金があまり減額されない場合があります。
- 手続きが複雑で費用と時間がかかる裁判所を通す厳格な手続きであり、家計簿の提出や多数の書類準備が必要なため、手続き完了までには概ね半年程度かかります。官報にも掲載されます。
費用が払えなくても大丈夫!法テラスの立て替え制度と安心の相談窓口
「『専門家に払うお金なんて1円もない』そんな方のために、国が用意した費用の立て替え制度があります。安心してください。」
しかし、お金がないからこそ専門家に頼るべきであり、費用の問題で借金解決を諦める必要は全くありません。
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)にかかる費用の目安
まず、専門家に依頼した場合の一般的な費用の目安を把握しておきましょう。
- 任意整理の費用目安1社あたり約4万円〜6万円程度(着手金+基本報酬など)。
- 個人再生・自己破産の費用目安専門家への報酬として約30万円〜50万円程度。加えて、自己破産の管財事件などでは、裁判所に納める実費(予納金など)が別途数十万円かかる場合があります。
手元にお金がない場合は「法テラス(民事法律扶助制度)」を活用しよう

「数十万円の費用なんて用意できない」という方にとっての強い味方が、国によって設立された法的トラブル解決の総合案内所「法テラス(日本司法支援センター)」です。
法テラスが提供している「民事法律扶助制度」を利用すれば、以下のサポートを受けることができます。
- 無料法律相談同一の問題につき、1回30分程度の無料法律相談を最大3回まで受けることができます。
- 専門家費用の立て替え法テラスが定める基準(例えば自己破産の場合、1〜10社で15万5,000円など、一般的な相場より安価に設定されています)に基づき、弁護士・司法書士費用や実費を法テラスが一時的に立て替えてくれます。
- 無理のない分割返済立て替えてもらった費用は、原則として月額5,000円〜1万円程度の無利息での分割払いで法テラスに返済していくことになります。
- 生活保護受給者の特例生活保護を受給されている方の場合、立て替え費用の返済が猶予されたり、最終的に費用の償還が免除されるケースもあります。
【利用条件(資力基準)について】
法テラスの立て替え制度を利用するには、収入や資産が一定の基準(資力基準)を下回っている必要があります。例えば、単身者で特別区等の場合、手取り月収が20万2,200円以下、資産が180万円以下であることが一つの目安です(家賃などの控除も考慮されます)。
▶ 相談窓口を探す際のポイント
株式会社ZIST 編集部からのアドバイスとして、いきなり特定の法律事務所に飛び込むのが不安な場合は、まずは公的な窓口や、法テラスの利用に対応している中立的な相談窓口を利用することをおすすめします。
金融庁が案内している「多重債務相談窓口」や、各自治体の消費生活センター(消費者ホットライン「188」)、または法テラス(0570-078374)へ連絡し、現在の苦しい状況を正直に伝えてみてください。
専門家に依頼し、債権者へ「受任通知」が発送された時点で、貸金業者からの取り立ては法的にストップします。一時的に返済が止まるため、その間に生活を立て直し、専門家費用(分割払い分)を準備する余裕も生まれます。
債務整理と自己破産に関するよくある質問(FAQ)

「専門家に怒られるのが怖くて相談できないという方へ。彼らはあなたを説教する敵ではなく、一緒に生活を立て直すパートナーです。」
Q1. ギャンブルや浪費で作った借金でも自己破産できますか?
A. はい、できる可能性が十分にあります。
破産法上、ギャンブル、FXなどの投機的取引、過度な浪費によって作った借金は「免責不許可事由」に該当すると定められています。しかし、免責不許可事由があるからといって、絶対に借金がゼロにならないわけではありません。
実務上は、ご本人が深く反省し、生活を立て直す意欲を見せ、裁判所や破産管財人の調査に誠実に協力すれば、裁判官の権限で特別に免責を認める「裁量免責」が下りるケースが非常に多くなっています。
「ギャンブルだから自己破産は無理だ」と自己判断せず、正直に専門家に打ち明け、指示を仰ぐことが重要です。
Q2. 債務整理をするとクレジットカードやスマホの分割払いはどうなりますか?
A. 選ぶ手続きや、状況によって異なります。
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、いずれの手続きでも新しくクレジットカードを作ったり、現在持っているカードを利用し続けたりすることは原則できなくなります。
スマートフォンについては以下の通りです。
- 自己破産・個人再生の場合: 本体の分割代金が残っていると、それも「借金」としてすべて手続きの対象に含める必要があります。その結果、端末の返却を求められたり、通信契約自体が強制解約になるリスクがあります。
- 任意整理の場合: 「スマートフォンの分割代金(通信キャリア)」を任意整理の対象から外し、これまで通り支払いを続けるように設定すれば、そのまま端末も通信契約も使い続けることが可能です。
Q3. 債務整理をしたことが会社にバレて解雇されることはありますか?
A. 会社に知られる可能性は低く、それを理由にした解雇は不当です。
まず、任意整理であれば会社にバレるリスクは極めて低いです。自己破産や個人再生は官報に掲載されますが、一般の会社が従業員の官報情報を日常的にチェックしていることはほぼありません。ただし、「会社からお金を借りている場合」や「給料が差し押さえられている場合」は、必然的に会社に知られることになります。
万が一、会社に債務整理の事実を知られたとしても、「自己破産をしたこと」だけを理由に従業員を解雇することは、労働契約法により「客観的に合理的な理由を欠く」として原則認められません(不当解雇となります)。自分から退職を申し出る必要もありません。

