建設業における資金調達方法には、どんな方法があるのかご存じでしょうか。
最も知られているのは銀行ですが、近年違う方法にも注目が集まっています。
この記事では、建設業における資金調達方法3つを解説するとともに、ファクタリングについても解説します。
建設業の資金繰りが悪化しやすいと言われている理由
建設業の資金繰りが悪化しやすいと言われている理由はいくつかありますが、大前提として大きな原因があります。
それは、工事に対する報酬は工事完了後に入金されるため、工事完了までに多額の費用の立替えが生じるということです。
この点を踏まえて建設業の資金繰りが悪化しやすい理由には、次の3つが挙げられます。
①工事1件あたりの費用が高いため、多額の運転資金が必要
②工事1件あたりの工期が長い
③多重下請構造になっているため、連鎖倒産のリスクがある
建設業の資金繰りが悪化しやすい理由を、それぞれ解説します。
①工事1件あたりの費用が高いため、多額の運転資金が必要
建設業では、工事に対する報酬が工事完了後に入金されるにもかかわらず、工事期間中には多額の運転資金が必要になります。
例えば、工事1件あたりには次のような費用が必要になります。
・建設資材などの材料費
・作業員などの人件費
・重機などのリース代
・事務所の設置代
・下請けなどへの外注費 など
このような費用が発生しますが、ほとんどすべての費用が立替払いとなるため、多額の運転資金が必要になるのです。
また建設業界では、下請会社に請負で仕事を発注する構造になっていることから中小企業が多いため、手出しと言われる前払い金を支払うことがあります。
そのため、更なる費用がかかることになります。
②工事1件あたりの工期が長い
工事1件あたりの工期が長いため、報酬が支払われる前に運転資金が必要になります。
③多重下請構造になっているため、連鎖倒産のリスクがある
建設業は、下請会社に請負で仕事を発注する構造になっているため受注先の会社が倒産すると、たちまち資金繰りが悪化するおそれがあります。
そのため、他の会社に影響が及ぶことから連鎖倒産するリスクがあります。
コロナ禍で建設業も資金繰りに困った業界の1つです。
実際、受注の減少により資金調達する必要に迫られましたが、銀行に断られたケースもあったようです。
建設業の資金調達方法
建設業の資金調達方法には、次のようなものがあります。
・日本政策金融公庫
・銀行
・ファクタリング
それぞれの資金調達方法について、解説します。
・日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、中小企業を中心に創業支援などの融資をすることによって、中小企業などの事業の支援をおこなっています。
中小企業だけでなく個人事業主も、低金利、無担保・無保証で借入れできることから、個人事業主や中小企業の資金調達の重要な手段になっています。
しかし、慎重に審査するため必要書類が多く審査期間が長いというデメリットがあります。
・銀行
銀行による融資は最もよく知られている資金調達方法ですが、日本政策金融公庫よりは審査が厳しくなっています。
特にまだ実績のない創業時の融資については、銀行よりも日本政策金融公庫の新創業融資制度のほうが利用しやすくなっています。
事業が軌道に乗ってきたら、信用保証により金融機関から融資が受けやすくなる信用保証協会を利用し、最終的には信用保証なしに銀行から有利に融資してもらうことが可能なプロパー融資を目指すことが一般的です。
・ファクタリング
ファクタリングとは、売掛債権を譲渡し手数料を支払うことにより、資金調達する方法です。
そんなファクタリングは、近年建設業界で最も注目を浴びている資金調達方法です。
というのは、他の資金調達方法と比べて、最短即日で資金調達できるからです。
ファクタリングは、建設業にとって最も相性の良い資金調達方法だと言われています。
なぜ、資金調達方法にファクタリングが利用されているのか
建設業が資金調達方法にファクタリングを利用しているのは、2つの理由があるからです。
2つの理由とは、「ファクタリングの特徴に由来した理由」と「建設業にとって相性が良い理由」です。
【ファクタリングの特徴に由来した理由】
・最短即日で資金調達が可能
・自社ではなく、売掛先の信用力が審査される
・他の建設業者に知られずに資金調達できる(2社間ファクタリングの場合)
・債権譲渡であり、負債ではない
・ほとんどの場合、償還請求権はない
【建設業にとって相性が良い理由】
・工事1件あたりの債権金額が高いため、ファクタリング会社から人気が高い
まとめ
この記事では、建設業における資金調達方法3つについて解説するとともに、ファクタリングについても解説しました。
建設業とファクタリングという資金調達方法は、とても相性が良いということがおわかりいただけましたでしょうか。
そのため、中小企業を中心に建設業界の多くの会社がファクタリングを利用する機会が増えてきました。
ぜひ今後もファクタリングに注目してください。
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